新人タクシー運転手がやりがちな「無意識の危険運転」

タクドラの小ネタ

こんにちは!塩っペです!

先日出勤したら、弊社に新たに3人の乗務員が加わったと聞きました。そのうち2人と乗務前にお会いしましたが、なんだかフレッシュな雰囲気のイケメンが1人、元気なおねえさまが1人。入社時期がほぼ同じだったこともあってか、2人ともコミュニケーションを取り合っている様子がうかがえました。

ぜひそのまま順調なタクドラライフを送ってほしいものです。

思い返せば、僕がデビューしたのは2023年1月。福岡なんて地元なんだから道くらいわかるよ~なんて高を括っていた時期が、塩っペにもありました。と~ころがどっこいすっとこどっこい、知らない道しか言われない。

昔薬局があったところ?え、なんのこと?

この前までセブンがあった交差点から左?この前を知らないんだけど?

とにかくお客さんに道を聞きまくって、悪戦苦闘して、目的地にたどり着くのに無我夢中。新人の時って、誰しもそんな感じだったのではないでしょうか。そうしてタクドラは成長していくのです。

しか~し!そんな新人時代にも絶対に忘れてはいけないことがあるのです。それが「新人時代ならではの危険」です。

道を知らないことももちろん大変なのですが、新人のうちは「道を間違えないように」「お客さんの指示を聞かなきゃ」「目的地までちゃんと連れていかなきゃ」と、頭の中がいっぱいいっぱいになりがち。

その結果、自分では危険な運転をしているつもりがないのに、いつの間にか安全確認がおろそかになってしまうことがあります。

本人に悪気はない。むしろ、一生懸命仕事をしている。

それなのに、ちょっとした意識の偏りから危険な運転につながってしまう。

今回は、そんな「新人タクシー運転手がやりがちな“無意識の危険運転”」について、僕自身の新人時代を振り返りながら紹介していきます!

道探しに夢中じゃダメ!ちゃんと周りを見て!

小説家にとっての語彙力。スポーツ選手にとっての体力。営業マンにとってのコミュニケーション力。そんな、その仕事をする上で必須のスキルってありますよね。当然タクシー運転手には地理力が求められます。

だけど、新人のころってまだまだ分からない道だらけなんです。だからどの道を通って行けばいいのか、どのルートが最適なのかが不安で仕方ない。

十数年前の大先輩たちは、車内にあるゼンリン地図で道を探したと言います。だけど今はそんな時代じゃありません。手元にはカーナビや配車アプリのタブレットがあります。

「ここからどこを通ろうかな」

そんな気持ちで目線を落としちゃうんです。だけどカーナビなどの注視は自動車学校でも習いますよね。走行中はダメ、ゼッタイ。

正しいルートを取ろうとして、危険を回避できない。それではいけません。ルートは大事ですが、安全はもっと大事。

刻一刻と周りの状況は変わります。一瞬のよそ見が命取りになることだって、1日乗務していればいくらでもあります。

地理が不安でも、ナビは最小限に。その積み重ねが、いつしかどんな道でもどんとこいと言える自信にも繋がります。

実は僕も、やらかしたんです。

ここまで偉そうに「ナビは最小限に!」なんて書いてきましたが、実は僕自身もやらかしています。

走行中、お客さんからのルートの指定があったのでほんの一瞬、視線を落としてしまいました。

すると、その間に自転車が車道へ出てきたんです。気付いた瞬間、慌てて急ブレーキ。幸い、自転車との衝突は避けることができました。

「危なかった……」

そう思ったのも束の間。後部座席に乗っていたお子さんが、急ブレーキの勢いで首をぶつけてしまったんです。

結果として、車内事故。それまでの運転が安全運転だったことや、自転車がありえないタイミングで出てきたことなどから、状況を理解してくださったお客さんのおかげもあり、事故は物損として処理され、人身事故にはなりませんでした。

でも、僕の中では「大事にならなかったからよかった」で終わる話ではありませんでした。

自転車との衝突は避けられた。でも、そのための急ブレーキでお客さんにケガをさせてしまった。

このとき、身をもって思い知りました。

「事故を避ければ、それで安全」というわけではない。

もしナビに視線を落としていなければ、もう少し早く自転車の動きを認識できていたかもしれない。そう考えると、ほんの一瞬の「ながら確認」が、事故につながる可能性は十分にあるんです。

タクシーには、自分以外のお客さんが乗っています。前方の危険だけではなく、車内のお客さんのことまで考えて運転しなければいけません。

そして何より、「ちょっとナビを見るくらい大丈夫だろう」という自分の無意識の行動が、事故につながることがあります。

新人のころは道が分からない。だからナビを見たくなる。僕もそうでした。

だからこそ、新人さんにはこの失敗を覚えておいてほしいと思っています。

お客さんの指示に夢中で…安全確認が!

前述の車内事故の件はこの要素もあると思います。

お客さんから急に指示されることってありますよね。「次を右で!」のように。そうすると頭の中が「よおし!ここから右折だ!」になっちゃう。

だけど忘れちゃいけませんよね?

対向車、後続車、巻き込みの確認。複数車線ある道路だと、そこに車線変更まで加わります。

周囲を確認して、右車線に入って、対向車を見て、巻き込み確認をして…。このステップをすっ飛ばしてしまうと、どのタイミングで事故が起きてもおかしくない状況になります。

これを読んでいると、

「いやいや、自分はそんなことしないよ。ちゃんと教習所で習った通りに確認して曲がるよ」と思っちゃいませんか?だけど、それこそが黄色信号かもしれません。

急ぎのお客さんや高圧的なお客さん。タクシーにはいろんな人が乗ってきます。いつも平常心で運転できるのが理想ではありますが、悲しいかなそうではありません。新人のころであればなおさらです。

そして偶然というものは嫌なときほど重なるもので、心に焦りがあるときに限って事故が多発するようなポイントにいたりします。

焦っていた。

確認を怠った。

知らない道だった。

そこが偶然にも事故多発交差点だった。

どれか一つでも違っていれば避けられた事故でも、すべてが重なれば大事故に至ることだってあるわけです。

だから運転中に「今、どこか平常心じゃないかも…」と感じたら、そういう時こそ基本に立ち返りましょう。

右左折なら、周囲の確認、合図、車線の確認。そして対向車を見て、巻き込み確認をする。

一つ一つの動作をいつも以上に丁寧に。焦りは事故への特急券です。

そして、焦りなどなくとも注意が必要なことがあります。

それが「一つのことに集中しすぎる」こと。

例えば「3つ先の信号から左折」と言われたとします。すると頭の中は「3つ目の信号で左折」という情報で一杯になります。

すると不思議なことに、途中に2つあるはずの信号が目に入らなくなることがあるんです。

もちろん見えてるんですよ。その2つの信号も。だけど「3つ先の信号を左折」に意識が向きすぎていて、、情報として認識できていないんです。

人間の意識って不思議ですよね。

運転とは、周囲にどれだけの注意を払えるかがカギ。お客さんからの指示ももちろん大切です。でも集中しすぎて、周囲への注意が薄れてしまってはいけません。

お客さんの指示を聞くことと、安全に運転すること。

どちらもタクシー運転手には、大切な仕事です。

目的地には着いたけど…ここで止めるの?

長い道のりを抜け、ようやくお客さんの目的地に到着!新人さんの頭の中では、次に待っている精算の操作を確認しているところでしょうか。

降車地点に近づき、ハザードランプを点滅させてメーターを押します。ご乗車ありがとうございました、料金は3,000円でございます!

無事に辿り着いてほっとする瞬間ですよね。だけど、一度周囲を確認してほしいんです。

そこは停車しても大丈夫な場所なのか。

店舗の出入り口で周囲の交通を妨げてはいないか。

もう少し左に寄れば、後続車を待たせずに済むのではないか。

タクシーって少なからず一般車両に迷惑をかけながら仕事をしています。だからこそ、ほんの少し、あと一歩先まで考えてみる。それだけでちょっとは迷惑をかけずに済むはずです。

そして降りるお客さんのことも忘れちゃいけませんよね。

大雨の後、巨大な水たまりのど真ん中で止めてしまった。

ガードレールで仕切られて、歩道に移るまでに距離があるところだった。

左に寄せすぎるあまり降りるためのスペースが狭くなっていた。

どれも僕のやらかしたことです。汗

安全に気を配りましょうね、ナビを見すぎちゃダメですよね、ここまでそんなことを書いてきました。だけど周囲にもたくさん気を配らないといけませんよね。

そうなんです。

タクシー運転手って運転だけでも大変なのに、、渋滞の原因にならないように、乗り降りしやすいように、周囲の車の迷惑にならないように…とにかく気を配らないといけないことがたくさんあるんです。

「そんなに何もかも一人ででけへん!」

そんな声が聞こえてきそうですが、大丈夫です。僕も含め、誰しも何かしらやらかしてきていますから。

最初から全部を完璧にできる必要はありません。もちろんできるならそれに越したことはありませんが、一つずつできるようになっていけばいいんです。

道を覚えて、安全確認をして、お客さんの指示を聞く。

そして、周囲の交通も見る。降りるお客さんのことを考える。

一つずつできることを増やしていけば、少しずつ「見るべきもの」が増えていきます。

だから今よりも少し先、少し広い範囲で気を配れるようになっていきましょう。その積み重ねがきっと「余裕のある運転」に繋がっていくんだと思っています。

慣れた時が一番危険!それはタクドラも同じ!

「慣れた頃が一番危ない」

これは仕事だけでなく、いろんなことに言えることです。

料理に慣れた頃に包丁で指を切っちゃったり、勉強に慣れた頃にテストでケアレスミスをしたり。

誰しも一度くらいは、こういう経験があるのではないでしょうか。

やっぱり、タクシー運転手にもあるんです。

行き慣れたルートだと思っていたら、道を間違えてしまう。接客が疎かになってしまい、お客さんに怒られてしまう。日頃気を付けていたチケットの有効期限を見忘れる。

まだ、これくらいならリカバリーの効くミスなので、どうにかなります。

でも、タクシーの仕事では「まあ、次から気を付けよう」では済まないミスもあります。

いつも通っている交差点だからと安全確認が雑になる。毎日のように走っている道だからと、信号や標識の確認が疎かになる。「いつも大丈夫だから」という感覚で、車間距離が少しずつ近くなる。

そして、その小さな油断が積み重なれば、交通違反につながったり、大きな事故につながったりするわけです。

新人のころは、何もかもが不慣れです。だからこそ、一つひとつの動作を慎重に行います。

ところが仕事に慣れてくると、今度はその「慎重さ」が少しずつ薄れていく。

これは、新人だけが気を付ければいい話ではありません。むしろ、何年乗務していても気を付けなければいけないことだと思います。

「もう慣れたから大丈夫」そう思った瞬間こそ、もう一度初心に戻る。

安全運転に「慣れすぎていい」ということはありません。僕自身も、これから先ずっと忘れないようにしたいと思っています。

まとめ!

今回は新人タクシー運転手さんに向けて書いたつもりでしたが、よく考えてみると、新人・中堅・ベテランに関わらず大事なことだった気がします。

特に最後の「慣れ」に関する部分は、書きながら自分自身がハッとしました。

さすがに4年目にもなると、いろんなことに慣れてきています。

以前なら「次はどうするんだっけ?」と一つひとつ考えていたことも、今では体が勝手に動く。スムーズに乗務を行えるようになったのは、もちろん良いことです。

その一方で、乗務の一連の流れがあまりにも体に染み込んだことで、いつの間にか「流れ作業」のようになっている部分もあるのではないか。

そう考えると、少し怖くなりました。

効率よく仕事ができるようになった。

迷わず動けるようになった。

それ自体は、タクシー運転手として成長した証です。しかし、その過程で「本当は省略してはいけないもの」まで省略していないか。

今回の記事を書いたことで、自分自身の仕事を振り返る良い機会になりました。

新人だから危険なのではなく、新人には新人の危険がある。そして、慣れてきたら慣れてきたで、別の危険がある

結局のところ、タクシー運転手にとって大切なのは、経験年数に関係なく、目の前の状況をしっかり見ることなのかもしれません。

新人さんも、僕のような中堅も、ベテランの先輩方も。「いつものことだから」と流さず、一つひとつの乗務を丁寧に。

明日からの乗務も、このことを肝に銘じて、僕自身も気を引き締めていきたいと思います!

今日は以上です(`・ω・´)ゞ

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