タクシードライバー恋愛白書~どうせ行先バレてんだから~

乗務日誌

前回に引き続き、タクシードライバーの恋愛白書をお届けします。

前回は白昼堂々、夜の蝶と逢引きをしたチャラ男の話でした。今回は華金なのをいいことに羽目を外して「二人きり」になりに行くくせに妙なところで恥ずかしがる男女の話です。

いっそエントランスで降りてはいかが?

華金。それは世の会社員が一番気の抜ける時間のひとつ。会社の飲み会が終わり家路に就く人も増える時間帯になると、1台のタクシーに便乗していくつか経由することもしばしば。

この日もスーツを着た会社員と思しき2人組が乗車しました。男女1人ずつ。

赤坂門から小戸まで。深夜割増前とはいえ、ありがたい距離です。

同僚なのか、仲よさげに仕事の話をしていました。「あの部長がさぁ」とか「この間のプロジェクトどうなった〜」とか。まあよくありますよね。仕事の話です。

ただひとつ気になることが。やたらと距離が近かったんです。

本当にただの同僚か?社内恋愛?

そんなことを考えていたところで「えぇ〜、奥さん大丈夫なんですか〜?」と女性。

「大丈夫大丈夫〜」と男性。ほほう、奥さんねぇ。

そして走ることしばし。行先の小戸が近づき指定したのは、小戸西交差点を左折した筑肥線の高架下。少し歩けばコンビニとパチンコ屋はあるけどそれ以外には特に何も無い高架下。

なんでここ…?片方の家が近くて、そこで降りてもすぐだから~とかはよくあるんですが今回は二人とも降車。

そして降りたふたりは高架下の闇の中に消えていきました。

その先に何があるか、勘のいい人ならもうお気づきでしょう。

男女の仲になるふたりが行きつくのは、駐車場の入り口に太めのワカメみたいのがぶら下がっているめくるめくオトナ世界。愛憎渦巻く夜の城。そう、ラブホテルである。

精算処理に時間をかけた風を装ってしばらく待機、そしてじわ~っと二人の後を追いました。2つ目のラブホにそそくさと入っていきました。

その後そのふたりと、男の夫婦になにがあったかなど、一介のタクシー運転手には知る由もありません。

ラブホにタクシーで行かれるお客様、運転手は基本的に気づきますし別に気にしていません。知り合いでもない限り誰が誰とどこのラブホに入っていこうがその日のうちに忘れます。道端で降りずにエントランスまで入りましょう。

歩いて入る方が目立ちますよ。笑

あとがき

行先が大体予想できると書きましたが、道中の雰囲気も良い判断材料です。ラブホ行きの二人組なのであれば二人の距離はかなり近いですし、到着前からイチャついてるなんて日常茶飯事。

ルームミラー越しにそれはそれはたいそう濃厚な接吻行為を見たことだって一度や二度ではありません。

で、面白いのがそういう時の先攻ってだいたい男性なんですよ。女性からけしかけるのはほとんどない。今回みたいに赤坂~小戸なんて移動距離は珍しく、ラブホなんて基本的に近場で探すものなんだから乗ったとしても10分前後がいいとこです。

そんくらい我慢できんもんかね、盛りのついた野良猫じゃあるまいし。

年が明けて来月に控えるのはバレンタインデー。浮かれた男女がホテル街に押し寄せる時期がやってきます。紳士淑女の皆様、ひとまず僕の車では脱がなければ見逃しますが、ミラー越しにチラ見する運転手の目線と後続車から意外とよく見えるということをよ~く考えたうえでイチャついていただくようお願いします。笑

今日は以上です(/・ω・)/

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