警察官に手信号で「さいしょはグー!」された話(夢日記)

乗務日誌

塩っペがいるのは福岡大学東門から福大通りに差し掛かる「城南市民センター前」交差点。

お客さんを降ろし、そのまま信号を直進しようとしていた。そのまま直進したところでそこにあるのは九州電力の社員研修所。なぜそちらに向かっているのかは自分でもよくわからなかった。

ふと交差点に目をやると、信号機が消えて真ん中に警察官が立っている。

「故障か…?ひとまずこっちに青の合図出してるからいいか…」

滅多なことではお目にかからないが、信号機故障等で警察官が交通整理を行う場合はその体の向きと手の動きが信号の役割を持つ。

体の向きに水平方向には青信号、体に対面する方向には赤信号という意味だ。

警視庁HPより

塩っペはこの「青信号」の向きからの進行だった。何の問題もない。そう思い通り過ぎようとした、その瞬間である。

「は?!グー?グーってどういうことや!」

信号機警察官が突然、右手を天高くに挙げて手をグーの形にした。そんな手信号習ってない。ちなみに黄色信号にするときは以下の図の通り。(警視庁HPより拝借)

警視庁HPより

両手を高く挙げるのが黄色信号の合図。しかも大体の場合、笛の吹鳴も付いてくる。そんな一瞬で知らん合図出されても対応できるわけがない。

「交差点ど真ん中でじゃんけんでもするんかおのれは!!!!」

ツッコミこそガラの悪いチンピラ風だが、360°どの角度からも反論のしようがないものだったと自負していた。そりゃそうだ、そんなところでじゃんけん大会なんて意味不明にもほどがある。まして「桜の御紋」を背負った国家権力がそのザマでは日本陥落もそう遠くはないのだろう。

とりあえず信号を通り抜けたかに思われた。しかしである。

「え、無線でなんか話しよらん…?」

右サイドミラーに写った信号機警察官が肩にかけている無線に話している。周囲に車や歩行者は皆無。対象は間違いなくこの車だろうが、唐突なじゃんけん大会を仕掛けられたのだ。文句を言いたいのはこちら。

「はーいそこのタクシー止まれ~」

拡声器の声が響き渡る。路上には警察官×3人。九州電力の社員研修所があるはずのそこは、福岡空港の国際線タクシー乗り場のような広いスペースができていた。

👮「警官の手見えんかった~?あげん飛ばしてから」

塩「いや、グーって何なん!手信号にそんなのないやろ!」

👮「80km/h近く出とったけどここ一般道やけんね~」

塩「きっちり40km/hやったけど?!あそこでそんだけ出すって頭沸いとるやろ!」

👮「タクシーなんやからさぁ、もう少し安全に」

塩「聞いて?!おれの声を聞いて?!」

どっかの漫才コンビ並みのテンポで噛み合わない押し問答が続く。しかしさすがは国家権力、あれよあれよという間に僕から免許証をひったくり手続きを進めた。

「なんでこんなんでゴールド免許剥奪されないかんの…」

2013年に免許を取ってからというもの、2017年に大型一種、2023年に普通二種と所謂上位免許を取ってきて、今となってはそれを生業にしているわけだが被害事故を除いては無事故だし、違反で止められるのもこれが初めて。

記念すべき第一回違反点数サイン会が、こんな理不尽なことでは泣くに泣けない。だってグーなんだもん。

完全にモーションがじゃんけん大会、もしくは『のだめカンタービレ』に登場するちょっとアグレッシブめな指揮者。

やり場のない怒りが全身を支配した。気が付けばスマホで妻に連絡を入れようとしたところだった。

こんなことでゴールド免許を失くしたって知ったら、悲しむだろうな。10月に遭った事故でも、僕の免許なのに僕よりも免許に傷がつくことを心配してくれてたもんな。

うきは警察署のおまわりさんに聞いて免許証には傷はつかないよって言ってもらった時、泣いて喜んでくれたもんな。木の葉モールのココカラファイン辺りで。

警官が意味不明なじゃんけん大会仕掛けてきて違反切られたって聞いたらどんな顔するんやろ。

…と思ったところで目が覚めた。ここは布団の上、隣にはふにゃふにゃ言いながら寝息を立てている我が妻の寝顔。そうか、夢だったのか。

夢でよかった。夢じゃなきゃ説明が付かない。夢だから捕まったんだ。

免許証はゴールドのまま。売上に追われるうちに交通ルールを蔑ろにしてしまう運転手もいる中で、ゴールド免許は一つの誉れだと思っている。願わくばこの先も色を変えずに行きたい。いや、行くんだ。

初めての取り締まりが夢の中で本当によかった。正夢になんてさせない。今日も安全運転を地道に続けるんだ。

そう思った明け番の朝でした。皆様今日もご安全に。

以上、塩っペの日記でした。洗濯機が終わったので干してきます。しかし暑いですね、水分補給もお忘れなく~!

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