昼から飲んでた仲良し家族

乗務日誌

シャララン♪

配車アプリGOの通知音が鳴った。配車受付をして迎車地点である橋本のラーメン屋さんに向かう。到着すると高校生くらいの男の子と仲良さげなご夫婦が待っていた。

「予約した○○です~」と乗り込んでくる。行先はみずほPaypayドーム。昼間には嬉しいそこそこの距離だ。2,000~3,000円くらいだろうか。

「道順にご希望などはございますか?」という発車前の経路確認には「運転手さんの良かごと行ってください」とのこと。特に希望はないらしい。昼間とはいえその日はGWど真ん中。そんな日にドームともなれば周辺は混雑しているに違いない。道のチョイスが運命の分かれ道と言っても過言ではない。

例によって乗務員タブレットにはヘンテコなルートが表示されたため、そうはならんやろと心でツッコミをいれながらオリジナルルートで向かった。

発車してしばらく。「あら、チケット持ってきたかいな」と奥さん。ちょっと焦り気味な声に、もしものことを考えて若干速度を緩めた。

「あぁ、あったあった。よかった~」

安堵の声を漏らす奥さん。速度を戻す塩っペ。

「これ持っとっちゃらん?私が持っとったら無くしそう」

「なんでね、別にあんたが持っとったってよかろうに」

「お父さんが持っとって無くしたら好きなだけ責められるwww」

しれっと責任転嫁宣言する奥さん。

「なんでねwwwおれ責められるだけやんwww」

すかさずツッコミを入れるご主人。ごもっともごもっとも。

会話のテンポ感がすごく良くて、ポンポン進む二人の会話。それにちょいちょい茶々を入れてくる息子くん。きっとこの家族はいつもこんな感じなんだと思う。あたしンちの家族というか、クレヨンしんちゃんの野原一家というか。

そこから昼間に食べたラーメンの感想だとか、昼から飲むビールは格別だとか。ホークス戦の話だとか。いろいろ展開していく話をラジオ感覚で聞きながら運転していました。

お客さん同士の会話って聞き言っちゃうんですが僕だけでしょうか?後ろで誰かが話しているのを聞いているのが好きで。

なんて思っているとご主人が「ちょ、やめてよ~」と言い始めました。じゃれ合ってるんでしょうか、お子様が居なければ行先をドームから小戸のラブホに変更してやろうかと思うところです。でもさすがに今までの会話を振り返るに、そんな非常識なことをしそうなご夫婦ではありません。

「いいやんか触らせてよ~」

破廉恥展開フラグです。

「私さ~、人の肘触るの好きっちゃんね~」

え、肘?

「やけんっておれの触らんでよかろうがwww」

「え~けち~。じゃあこっちでいいや~」

息子君の肘を触り始めました。なんだこの母ちゃん。フェチが独特。

「ちょっと腕ば伸ばしてみて」

どうやら肘を伸ばした時の柔らかい皮膚が好きなご様子。まぁ、ぷにぷにしてて気持ちいいのは分かりますよ。

「あら~、あんた肘が乾燥しとるやん。お母さんのワセリン塗っとき~」

「お前らなんで肘がカサつくかわかるか?乾燥しとうけんたい」と唐突にご主人。

「まーた始まったね、お父さんのわけわからんシリーズ。飽きんねぇあんた」ヤレヤレといった風にたしなめる奥さん。だけどなんだか楽しそう。

「昔流行らんかった?当たり前のことをどや顔で言う遊び」

「そんなんあんたの周りだけよ」と奥さん。

「小泉進次郎構文やん」と息子くん。

思いがけず二人から喰らったツッコミにたじろぐご主人。

「いらんことしたけんあんたの肘も触っちゃろ~」とご満悦の奥様。

なんという平和な世界。お父さんがボケでお母さんと息子くんがツッコミ。いつまでも仲良し家族でいてほしいものです。

そしてご一行はドームで降りていかれました。

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